仏壇職人の思い

経済産業大臣指定 伝統工芸品「大阪仏壇 漆塗部門」
大阪仏壇伝統工芸士会 会長
伝統工芸士 黒澤哲也
大阪漆塗仏壇技術部会

近年は住宅事情等により様々な形態のお仏壇がたくさん出てきています。

それは生活環境の変化であり考え方の変化であり時代の流れだと思います。

色々な選択肢がありますが、代々使われてきて思い入れのある御仏壇を修理や塗り替えをして残していくことも一つの素晴らしい選択だと思います。

様々な理由で小型になったり、お洒落な洋室にも合う御仏壇も良いものですが、設置場所に問題なければぜひ修理、塗替えを考えて頂き本来型の御仏壇の良さを再確認して頂く機会になれば嬉しく思います。

御仏壇を考えて頂くときには、新品にしても、修理、塗替えにしても様々な素材、作り方、技法、仕様があります。

価格だけでなくしっかりと納得いくまで話し合い、疑問点、気になる事を解決し、ご満足頂けた御仏壇を持って頂き手を合わせて頂く生活は、今このような時代に心穏やかに過ごして頂く事にも繋がるのではないかと期待しております。

現在(ここ20年以上)は御仏壇の市場の8~9割近くは海外製品が占めていますがご購入される際は海外製品か国産製品かをしっかり聞いて確認し、納得されてから選んで頂くのが良いと思います。

海外製品は価格面で魅力的です。

国産製品は私が思うにオリジナル性があり1本、1本丁寧に作られていると感じます。

修理、塗替えなどにしても色々な材料、技法がありますので価格だけでは比較は出来ません。

「きれいになります」「新品みたいになります」というのは当然の事で、材料と技法によって価格は変わってきます。

近年の主流な修理、塗替え技法は漆は使っていません。(化学塗料吹付け)や本金粉を使わない(金粉色塗料)や、手書き彩色をしない(彩色シール)や、手書き蒔絵を書かない(型押しスクリーン)や、金箔も含有量から種類が多くあり価格は左右されます。

高くて良い耕選ぶという意味や、安価で手軽な方法を選ぶという意味でもなく、様々な選択肢があることを知っていただけたらと思います。

色々と質問して頂いて、修理や塗替えをお考えの御仏壇の状態を表知って頂きたいと思っています。

なぜなら昔の御仏壇は伝統的な技術、技法で作られているものが多くあるからです。

その様な御仏壇は、「きれいになります」、「新品のようになります」というだけの修理、塗替えをしてしまうと漆の部分が化学塗料吹付けになったり、手書きの部分がシールや型押しになったり、彫物など金箔部分が金色塗料になったり、今では貴重な手打ち金具がプレス金具になってしまったりする事があります。

そのやり方でもすごく綺麗になりますが、伝統的な御仏壇の価値とすれば どうしても下がってしまいます。

御仏壇は基本一生ものだと思います。

修理や塗替え時にお客様のお考えを体現できて仕上がった御仏壇はとても愛着がわくのではないでしょうか。

もちろん新品の御仏壇でも伝統的な技法のオリジナル性を出したものが欲しいなどのご要望にもお応え出来ると思います。

製作期間はかかりますが。

これからも、この御仏壇という存在が大切なものであることが残っていく世の中であってほしいと心より願っております。

安心して相談できるお店

クロサワでは仏壇公正取引協議会の規則に従い、産地・材質等の品質表示を行っています。 もちろん二重価格の心配もございません。安心してお選びいただけます。

伝統的工芸品「大阪仏壇」取扱いのお店

現在のような仏壇は江戸時代初期にすでに誕生し普及し始めていました。仏壇には長年の歴史があります。そして彩りを添える伝統工芸のうつくしさ。一度ご覧いただきましたら 彫刻・蒔絵や金箔・漆黒の 艶かがやきに奥深いものを感じていただけることでしょう。